個別学習塾 育脳寺子屋 天六校の佐藤です。

「そろそろスマホを持たせようか」。小学校高学年から中学生の保護者様なら、一度は悩むテーマだと思います。結論から言うと、学力を優先するならば、私はスマホを早くから持たせることには否定的です。大げさに言っているのではなく、大規模な調査データがあるからです。

7万人調査が示した「スマホと成績」の関係

「脳を鍛える大人のDSトレーニング」の監修で知られる東北大学の川島隆太教授。監修料12億円の受け取りを辞退して研究に打ち込んだことでも有名ですが、その東北大学が仙台市教育委員会と共同で、2010年から毎年7万人以上の小中高生を対象に、スマホの使用時間と学力の関係を調べ続けています。

その結果は衝撃的でした。

・十分に睡眠をとっていても、スマホ等の使用時間が長いほど成績が下がる(「夜ふかしで寝不足になるから」では説明がつかない)
・家庭学習がほぼ0時間の生徒同士(=学習時間の条件が同じ)で比べても、使用時間に応じて成績が低下
・スマホの中でも特にSNSの利用が成績への悪影響と関係
・長時間使用すると、2時間以上の勉強効果が消えてしまうほどの影響。ゲームにも同様の関係がありうる

つまり「勉強時間を削るから悪い」のではなく、スマホの長時間使用そのものが学習の効果を打ち消してしまう、ということです。

ジョブズは子供にスマホを与えなかった

スマホを作り出したスティーブ・ジョブズでさえ、自分の子供にはスマホを与えないと公表して世間を驚かせました。子供が中毒になりやすいことを、作った本人が一番よく分かっていたのだと思います。大人でもスマホ依存が社会問題になっているのですから、自制心が育ちきっていない子供はなおさらです。

持たせる時期の考え方

一方で、連絡手段として必要、ネットリテラシーを学ぶ機会も必要、という考え方ももっともです。大事なのは、科学的なデメリットとメリットを冷静に比べたうえで、お子さんの特性を鑑みて時期を決めることです。

・欲求を自分の意志でコントロールできる子か
・SNSでのトラブル(被害だけでなく、他人の情報を載せてしまう加害の恐れも)を理解できるか
・当面は「大人の管理下でだけ使う」で足りないか

「親が機種変更するから、古いスマホを子供に」という軽い渡し方は、一番危険なパターンです。

家庭ルールの作り方 5か条

持たせると決めたら、渡す前にルールを作りましょう。ポイントは5つです。

① 子供と一緒に作る — 親が一方的に決めたルールは守られません。
② 破った場合どうするかも、子供の意思を尊重して決めておく
③ 親もなるべく同じルールで使う — 食卓でスマホを触る親の言葉は届きません。
④ 破ったのに「おとがめなし」にしない — 決まりを守らなくてもよいという誤った成功体験になります。
⑤ 変更するときは、また親子で話し合って決める

具体例としては「使うのはリビングだけ」「夜9時に親に預ける」「使用は1日◯分まで」「SNSは中学生になってから」など、使用の場所・時間・預け先を最低限決めておくと運用しやすくなります。

教育の現場から

スマホについて何も話し合わずに与えたり、ルールを決めても守らせることを怠ったために、「スマホを与えてから成績が下がった」という話は、教育の現場では枚挙に遑がありません。

逆に言えば、渡す時期とルールさえ丁寧に決めれば、スマホは便利な道具です。ぜひ親子で話し合う時間を設けてください。

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